侍ヴァンパイア

リボンに結ばれて

~キョウside~



見覚えのない場所で目覚めた時



何故か涙が頬を伝って止まらなかったーーー



その涙が枯れ果てた時、、、



ーーー



俺は人間ではなくなっていたーーー



身に付けていたのは着物と刀それだけでーーー



「久々によく寝た。。。」



一人呟いた声が無駄に広い部屋に反響する



『…お前さ…行くとこないなら、


うちくるかい?』


「……。」



『名はなんて言うんだい?』



「……キョウ」



『へーいい名だ』



微かに残る幼少の頃の記憶は



石鹸に似たーーー
甘い香りがしたーーー



久しぶりに、アイツの夢を見たせいか寝覚めが悪りぃ



あれから、どんだけ時間が過ぎたか…



考えるのもめんどくせーな



オイ俺…



どーしてお前は生きてんだ?



何で死ねねーんだ



俺は



誰なんだ?



激しい喉の渇きを覚えて、一人フラッと街に出る



俺はヴァンパイア、腹が減れば血を飲むしかない



初めは人の生き血なんて死ぬ程口にしたくなかったが…飢えすぎると、身体が機能しなくなる…



死にはしねーが


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