乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「もう何も心配することねーから…」
「うん…ねぇ陸さん」
「ん?」
「陸さんは自分の過去を恥じてるのかもしれないけど…あたしは過去の陸さんも今の陸さんも、どっちも同じくらい大好きだよ」
「……」
「過去の陸さんがいなければ…出会えてなかったかもしれない。だから陸さんが今まで歩んできた道を後悔しないでほしいの。あたしはすごく感謝してるから…」
陸さんはあたしを体から離すと、そっとあたしの頬に手を添えた。
「わかった…他の奴が何て言おうと、奈緒にそう言ってもらえれば俺はいーんだ」
陸さんの優しい笑みが、あたしの心を温かく包み込む。
こんな心地いい場所にいれることをあたしは幸せに思った。