もう少しだけ、あなたのそばに

「うん。先週一週間休んだからね。私、一応学生だし。」


「それでも先輩なら、花憐のことを心配して家から出さないかと思った。」


「え~と、一応、毎朝、渋られてるよ。」


そう、最近の秋の朝の口癖は、


「花憐、今日は家でのんびりしたら?」

「俺も休む?」

「本当に大丈夫か?」


これの繰り返し。



私の所為なのか、なぜか最近、帰りが早い。


家で仕事をしてるけど、それで大丈夫なのだろうか?



家で仕事をするときも、書斎に籠るのではなく、常に私の傍にいる。


勉強をする私の隣でパソコンを叩いているし、私が眠ろうとすると一緒にベッドに入る。


つまり、家にいるときは、常に私の傍にいる秋。



忙しい秋に申し訳ない。



そんな生活がずっと続いていたある日、なんとなく胸騒ぎがした。



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