もう少しだけ、あなたのそばに

「はい。わかりました。」


と返事をすると、歩いていく秋を見届けて彼女のあとを付いて、コピー機まで案内してもらった。


少し使い方を教えてもらい、大量のコピーを始めた。


何もすることもないけど、あまりジロジロ見渡しているのもよくないかな~と思ったので、コピー機と睨めっこしていると、



「月島さん。」



と呼ばれたので、ビックリして顔を上げると、


「倉橋さん。」


「何?コピー?」



「あ、はい。常務の部屋のコピーだと時間がかかるそうなので、こちらをお借りしました。」


「そうか。ってことは、翻訳終わったの?」



「はい。終わりました。」



「常務って結構、細かいからダメだし大変だったんじゃない?」



「え?いえ、直しは無いって言ってくれました。」



「は?本当に?」



「はい・・・・?」



倉橋さんは本当に驚いていて、コピーされた資料を一枚手にとると、


「・・・・・・・・・・・・・」


しばらく、無言でそれを見ていた。


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