タイトル、未設定。

暴食

...お腹すいた。
そうだ、ご飯を食べよう。
僕は一流会社の社長の息子だ。僕は何をやっても許される...そんな訳ない。そんな夢物語、どこにあるって言うんだ。まぁ、もし有っても、僕は「食」に対してだけ、欲を見せるだけ。食べ物が食べたいと言う欲だけである。
 それに対して、父らは、それくらいの我儘(わがまま)ぐらい全然構わない、と言うぐらいの貪欲だと思われる「欲」。だが、僕は食べても食べてもお腹いっぱいにならない。逆に食べる度に食欲が湧いてくる。食べては食欲が増し、また食べては食欲が増してくる。
 
そんな僕に作ってくる者は、次々と食事を用意してくれる。たんまりたんまり、と。普通の人なら、吐き気ぐらいはするのだろうか。しかし、僕はその逆。食欲が湧いてくる。
ああ、後。僕が偶然、料理室を通りかかったことだろうか、料理員の一人が、「よくあんなに食えるんですかね~」と言ってたのを聞いた。

...僕は疑問に思った。なぜ?、と。その「なぜ」から、答えは詳しくは出てこなかったが、きっと「金問題」だと思った。だから、あんなことを言ったのだろうと思った。...ん?
「これは、美味しいな。新作か?」
僕はその新作と思われる物を、鼻で嗅ぎ、舌で撫でくりまわし、ゆっくりと歯で噛み、味わった。やはり、美味しい。そう思ったそれを、僕は何回も何回も頼んだ。その原材料がなくなるほどに。



ああ、本当に美味しい。全ての料理も、この料理も。




彼らはこれを__と呼んだ。
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