タイトル、未設定。

傲慢

『よく、出来ました』
その言葉はいつ頃聞いただろうか。だが、わたしはその言葉が人生初めての褒め言葉。わたしが嬉しいと思った瞬間。
しかし、私はそれを言うのは逆になってしまった。私が相手を褒め称え、貶(けな)すことになった。たまに甘い言葉を言ったと思ったら、とても厳しく、冷たい言葉で相手を貶し、傷つけた。いいや、でも私はそれを悪いと思ったことは一切ない。私の全ては正しいから、貶すのだと、相手が間違っているから貶すのだと。

・・・いや、私が間違っていたとはしても、私はそれを無いことにし、相手の成果を私の成果と成す。私は全ての成果を私の魅力としたくて、全ての美しいものは私の魅力にしたかった。誰よりも私は優れているのだ、と。そして、私がいないとこの場は成り立たない、と。私はお前らの中心的な存在だ、と。私は・・・あの憎い姉より、優れたかった。だから、私は憎い姉より懸命に人生を生きた―――・・・

・・・だけど、やはり勝てなかった。私より優れている姉に。だから、他のものは優れている姉を慕い、劣等している私は余所者にした。
『お前には用はない』
と。私はそれが悲しかった憎かった・・・!!・・・いつからか、私は神に哀れと思われたのか―――・・・、姉が病に陥(おちい)った。それも重い病・・・。私は!笑みが溢(こぼ)れた。やっと・・・あの姉が死ねば・・・私が優れている、唯一の存在になる。
「私は!!誰からも求められて!!誰よりも私を見てくれる!!そして!私をさげずむものはいなくなるっ!!さぁ・・・!私を見て称えて!!・・・私に逆らうものはみぃいんなっ!!!死ねばいい!!」
「さぁっ!!早くしろ!!私があんたら馬鹿どもを率いてあげるっ!!!!!!」

そう、私は狂っており・・・そして、何よりも__だった。


私は私を__と呼んだ。
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