タイトル、未設定。

嫉妬

「憎い。」
僕はそう静かに呟いた。少しだけ歯切りをして。
ああ、憎い。と、声を出さずに、また。
君が僕を見てくれないから、憎い。僕を見てくれない君なんて、憎いだけの愛しいもの。憎く愛おしい髪に口づけをしてやりたい。憎く愛おしい目を舐めてやりたい。憎く愛おしい額に口づけをしてやりたい。憎く愛おしい唇に歯を立てて噛み付いてやりたい。憎く愛おしい耳を舐めてやりたい。腕にも手にも腹にも頬にも脇にも脇腹にも足にも足の裏にも・・・全て僕が侵してやりたい。
僕がいなければ、生きていけないほどに・・・僕のものに。
―――ああ、でも。それは、叶わないことなんだね。君は抵抗するもの。抵抗して抵抗して、他の男を愛そうとしているのだもの。ああ、その男のどこがいいんだろうね?こんなに僕の方が好きだっていうのに。何で、あんな奴のことを・・・!
ねぇ、君って・・・僕が__って言うこと知ってた?しかも、それが深いってことも・・・。
僕ね?君が誰かと話している度に__しているんだよ?でもね、君は僕の元に帰ってきてくれる。どんなに遠くに行っても。__深い僕の元に。何でそんなことを言い切れるかって?それはね・・・。君は僕のその__深かさをよく知っているからだよ。
それだからこそ、僕を恐れてる・・・「恐れてる」なんて言う言葉、嫌だな。君は僕のこと好きなのに、ね。でも、僕はそれを言う程に自分を分かっている。どんな人間だっていうことかもね。だから、それを知っている上、君にこういう話をしている。
ねぇ?君は僕のこと好きでしょう?僕は―――


だぁぁあぁいすきだよ。






第三者の俺はそれを__と呼んだ。
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