おかしな二人


店内は昼時を過ぎたせいか、六割がたの混み具合。
そのほとんどが若い女の子たちで、ほかには数組のカップルがランチというよりは、お茶をしに来ている。
個々のテーブルには、美味しそうなケーキと香り立つお茶が並び、みんな一様に笑顔を零していた。

店員さんから渡されたメニューは、ランチタイムを過ぎてしまったためアラカルトかコース料理。
その中には、魚料理や肉料理、もちろんパスタやリゾットもあった。

「なににしよぉかなぁ?」

写真つきのメニューは、全部が全部美味しそうに見えてしまい、どれにしたらいいのか迷ってしまう。

貧乏根性が治らないあたしは、ローストビーフやサラダをお土産にしてもらいたい、などと食べ終わったあとのことまであさましく考えていた。


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