「なぁんか、今日は色々ありすぎて、頭が混乱気味だなぁ」

声に出すと、湿った室内に少しだけ反響するように自分の声が耳に届いた。

午前中に、二日酔いの水上さんを東京駅へと送り届け。
便利屋の仕事にありついたかと思えば、ずっと忘れていた。
いや、忘れようとしていた、兄貴の凌と驚きの再会。

お互いに、大人になってちょっとは他人の事も考えられるようになったせいか、正面切って話をしてみたら、二人で勘違いをしていた部分もあった。

あ、いや、でも。
小さな頃にいじめられていたことに関しては、まだまだ、恨みはらさずにおくものか。的な感情は残っているけど。

兄貴にいじめられていたことに関してだけは、しつこいよ、あたし。

そうして、水上さんだ。
心配してくれているみたいだけれど、まるで恋人のような束縛。

確かに雇い主だから、あんな風に言われてしまえば従わざるを得ない。
けれど、やっぱりいき過ぎなんじゃないかと思うのは、あたしの主観か?

いや、客観的に考えても、やっぱり度が過ぎている気がするんだよなぁ……。