おかしな二人


水上さんは、ソファに座ってこっちを振り返るようにしている。

テレビでは、水上さんが毎週欠かさず見ているドラマが流れていた。
確か、兄弟三人が両親を殺した犯人を捜す、という内容だったはず。
そろそろ終盤に差し掛かった、そのドラマ。

「こ、このドラマの犯人て、誰なんでしょうね?」

見逃しちゃ、マズイでしょ?

そんな顔で若干頬をひくつかせながら、携帯から意識をそらせようと話題を振る。
けれど。

「知らん」

呆気なく、撃沈。

簡潔な答を返したまま、水上さんの目はあたしを見たまま。
電話の相手は一体誰だっ。とでも言うように、その目が詰め寄ってくる。

「えぇっとぉ……、ちょっと電話してきますね」


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