「で、仕事のことだけど」

あたしは、早速、仕事内容の確認をする。

「あたしの役回りは、長年想いを寄せていた相手で、一旦距離ができてしまって諦めていたけれど、最近再会して、想いが再燃してしまった。って事でいいのよね?」
「うん。その通り」

「凌は、色んな人と付き合ってみたけれど、結局あたしと比べてしまって、どうしても本気になれなかった、と」
「うん」

「これから来る彼女、奈菜美さんも例外ではなかった、と」
「その通り。よく予習してきました」

凌は、パチパチと数度ふざけたように軽く手を叩く。

「予習ってね、仕事なんだから当たり前でしょ? それより、凌の方がちゃんとしてよね。それ、もう酔ってるとか言わないでよ」

空になったグラスを指差し、少し睨みつける。

「そういう目つきするなって。そんな顔してると、男できない、って言っただろ」
「余計なお世話」

あたしは、ふんっ、と鼻息を洩らす。