おかしな二人


時が経ち冷静になった時に、あの時の別れは間違っていたのかもしれない、といつか凌は思うのだろうか。
それとも、やっぱりこれでよかったんだ、と納得をするのだろうか。

あんな風に心の底から誰かを好きになり、苦しくて、つらくて、涙する事を知らないあたしには、とうてい解りえないことだ。

ただ、はっきりしているのは、肉親ではない以上、いつか別れてしまう時が来ると言う事。

ううん。
親や兄弟でも、結局、人は、最期には一人になる。

そう、山崎の義父のように。
そうして、あたしの、母のように――――。




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