おかしな二人
多めと言うとおり、封筒の厚みはあからさまだった。
「元を辿れば、俺のオヤジが作った借金だしな。これからも、少しずつだけどこうして渡していきたいと思ってるから」
「わかった」
あたしは、ありがたくそれを受け取る。
水上さんからのお給料だけじゃなく、凌からもとなれば、想像以上に早く完済できる気がした。
「で、ご飯はどうするの?」
早々に切り上げるため、あたしは催促するようにして訊ねた。
だって、早いところ帰宅しないと、水上さんにまたどやされちゃうからね。
「うん。一応店に予約を入れてあるんだ。岸谷ー」
そう言うと、岸谷さんを呼びつけ凌はタクシーを頼んだ。