「……っこないで!!」


白い頬を透明な雫で濡らす姿と、耳に劈く甲高い叫び。


その瞳に写るのは、禍々しくて醜い亡霊。誰もが恐る化け物の影だった。影は彼女に触れようと、その手を弱々しくも伸ばした。




「っ触れないでぇ、やだ……っ!」


「……あ、っ」



強く振り払われた右手に熱が篭る。


こんなにも弱く脆い人間に振り払われただけで、息苦しいほどのもどかしさをこの胸に感じるのは、何故。


この感情はなんだろう、なぜ自分はこんなに彼女と違うんだろう。どうして俺にそんな顔を向けるのか、どうして曝け出した姿を、感情を否定してくるのだ。



ねえ、なんで。






「二度と目の前に現れるな!っこの、化け物!!」





……俺は、ただ。




(人を、愛したかっただけなのに)








この作品のキーワード
切ない  本格派  近未来  純愛  ピュア  リアル