【完】キセキ~君に恋した時間~
第12話 異変





8月、中旬。



煩わしいほどのセミの鳴き声と、床をバ
ッシュが擦る音。ボールがネットを潜る
音。掛け声。



ああ、青春してるな、俺、と思う今日こ
の頃。



高校の部活は、正直言って、かなりキツ
い。



中学校よりも練習量が増えたし、上下関
係もある。



上下関係は中学校の時にもあったけど、
中三の夏まで極力人を避けていたから、
こんな風に気を使うのは初めてだ。



「集合ーっ!!」



そんな声がかかり、返事をして、コーチ
のまわりに集まる。



「今日はここまで。お疲れ様。水分をき
ちんと取っておくように。それと明日は
、急遽練習試合をすることになった」



練習試合……?



そういえば、最近やってなかったよな、
と思う。






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