【完】キセキ~君に恋した時間~
第16話 悪化





「じゃあすいません、お先に失礼します




エナメルを方にかけて、部活の先輩や同
期たちにそう言いながら、頭を下げる。



そとに出ると、空はどんよりと曇り、そ
ういえば今日は雪の予報が出ていたかも
しれない、と思い出す。



一月上旬。


気温はグッと下がり、寒さに凍える毎日
だ。



体育館を出た所で、偶然、武野さんに出
会う。



武野さんはスポーツドリンクのペットボ
トルが入った籠を持っていたから、どこ
かに取りに行っていたんだろう。



「あ、岡田君。そういえば今日は早退だ
ったっけ」


「うん。そう」


「お疲れ様。身体、冷やさないようにね




ニッコリと微笑んでそう言った武野さん
に、頷く。






< 249 / 278 >

この作品をシェア

pagetop