【完】キセキ~君に恋した時間~
第18話 DEAR:徹へ



もう何も見えない。
何も聴こえない。



───そんな、隔絶された世界に放り込
まれたような。



違う。本当は。



何も見たくないし、
何も……聞きたく、無いだけ。











目を固く瞑って、視界を謝絶して。

両耳を塞いで、ふざけた現実から逃げ出
した。



でも僅かに聞こえてくる、時計の針の音
。それすらも鬱陶しかった。



「───徹」



少し厳しい口調の、父さんの声が聞こえ
てくる。



だけど俺は依然、目を閉じたまま。



「徹、いい加減準備しなさい」


「……」


「そんな格好じゃ、葬式に出席できない
だろ」





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