復讐のkiss

派閥

王の部屋の前、私は中へ入ろうとしなかった。

ラメセスは振り返り、

私に問いかけた。


「どうした、ミラ?」

「…ジェフティに用がありますので、

少ししてから戻ります」


「・・・わかった」


扉は閉まり、私は溜息をつく。

ジェフティに、用などない。

なんだか一人になりたい気分だった。

宮殿内にある中庭。


私はそこで座り込む。

綺麗な花を見つめながら、ぼんやりとしていた。



「…ミラ様」

「?!」


突然声をかけられ、驚いた私は

体が跳ねた。


それを見たジュセフは、クスクスと笑った。

「すみません、驚かせるつもりはなかったのですが」

「・・・いえ、なんですか?」


「オシリス様が帰ってきた以上、

ミラ様にお知らせしておいた方がいいと思いまして」

「・・・何を、ですか?」
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