復讐のkiss
「ミラ様」

ジュセフが何か言いたそうな顔をした。



「何ですか?」

私はジュセフの瞳を、

真っ直ぐに見つめる。



「…ラメセス王は」


「・・・」


「…いえ、なんでもありません」


声をかけようとしたが、

ジュセフは、逃げるように、

中庭を出ていった。


・・・

こんな話を聞いて、

王の部屋に帰る事など、出来るはずもなく。


私はやっぱり、

中庭にずっと座っていた。
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