恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
決着の付け方
道端では話もできないし、とりあえず近くの公園に入ってベンチに三輪さんを座らせた。


その真ん前に、恵美が三輪さんの手を取ってしゃがみこむ。
藤井さんと笹倉がベンチの左右に立っていて、三輪さんはすっかり小さくなってしまった。


もう暗くなって子供なんて全くいない公園。
街灯のもと、虫が集まっている。



最初に三輪さんが怪しいと言ったのは、恵美だったらしい。



「ずっとおかしいって思ってた。いくらなんでもあんなに噂になるなんて。わざとあちこち言いふらしてたでしょ?

 藤井さんからポストの悪戯の話聞いた時に、すぐに浮かんだのが三輪さんだった。

 私がみさと喧嘩したって知った時、いつもは瑛人君がいないと話しかけても来ないのに、翌日色々聞きたがったよね」



うつむいたままの三輪さんの顔を、覗き込むようにして恵美が話す。



「笹倉から聞いてたけど…そんなひどいの?噂って」

「みさは他店にあんまり友達いないから知らないだろうけど。皆して面白がってて、すっごく気分悪い。私は和菓子の友達から聞いたの」



あ、和菓子の友達ってほんとだったんだ。



「……豊田さん…ひどい」



ぽつりと小さな声で、三輪さんが言った。

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