恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~


ゆらゆら。馴染んだ肌が私を甘やかす。
携帯が鳴った日の笹倉は、いつもより少し優しい。


「うん、ごめんね出れなくて。仕事でミスがあってね」
後ろから包む体温があるから、幾分柔らかい声が出せた。


「私も寂しいよ。暇な期間に入ったら一度帰るよ。じゃあね?切るよ?」


耳の辺りを、大きな手が乗っていて
雑音から私を遮断してくれるから、漸く眠りについたのは空が白くなりかけた頃。
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