俺のこと好きになるの禁止だから!!

命令

──それから、無事検討会も終わった──



気にしてたセリフなんだけど、
結局、増えた脇役の分だけ誰が代わりをするかってだけ相談してた。



「よかったね唯ちゃん。」




「うん!セリフとか変わんないんだね!」




「去年よりも脇役が増えたから、ごめんね。時間とらせちゃって。」




「いいよ、出口さん。」




「そうだよ。みずほ。これ位だったらどれだけでも協力しちゃうよ!」




だた、気になったのは俺は、ここに必要なのか?って顔してたツバサ。そんな顔してた割にはちゃんと意見してたけど。





「それにしても、神野君ってカッコイイよねぇ。」




…え?出口さん?



「配役とかも手際がいいし、相談に乗ってくれたし、」




確かに、今日のツバサすごく活動的だった。




「『乙女クラッシャー』なんて言うから怖いんだって思ってたけすごく優しかったよ!」




今日は、あんまりきついこと言わなかったしね。




「みずほ、騙されちゃだめだよ!アイツ顔はいいんだから」




…ヒカリ。




「ん~?あたし狙っちゃおうかなぁ~」



「ははははは」



何だろうこの会話。



胸がすごくドキドキする。



彼女らから歩幅が遅れる。




「唯、今日どうする?」




後ろを振り返り、ヒカリが尋ねる。




「…え?」




「これから、アイス屋さんに行くんだけど一緒に行く?」




あ。




うん…。




行きたいんだけど



ツ、ツバサと約束してるから…




でも、それは出口さんの前では言えなくて




「ごめんね!今日は追試の事で先生に用事があるから、先に帰ってて~」



ウソついちゃった。



私は2人と別れ、玄関でツバサを待つことにした。
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