Summer time
プロローグ



高校生になって、期待と
不安で胸がいっぱいだった春に君と出会った



「…よろしく。」



そう言ってペコリと頭を
下げる


「あ、うん。こちらこそ!
…えっと、名前は?」



「俺は、菊地海斗。
…お前は?」


「あたしは紀野秋穂。」



そう自己紹介すると菊地くんは


「紀野さんね、おっけー。
覚えた!」



そう言ってにっこり笑う
その時思ったのは、犬みたい

人懐っこそうな笑顔が印象的だった



「あ、菊地くん?」


「え?なにー?」


「"さん"付けしないで?」


さん付けって好きじゃない。
なんか距離がある気がして


「分かった!
じゃあ…秋穂?」



ドキリと胸がなる
ドキドキと心臓が速くなる


「嫌だった?」


「…嫌、じゃないけど」


「良かった!」



そう言って菊地くんは
またさっきの人懐っこい笑みをみせた



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