東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「貴様…本気で申してるのか?」



「!!?」



御堂中尉は腰に提げた鞘から軍刀を抜き、刃を東様に突きつけた。


「い、いやっ…」



東様の顔から血の気が引き、ガタガタ震えはじめる。



「御堂中尉!!?」



周囲も騒然と私たちの様子を遠巻きに見つめる。



「中尉!!刃を収め下さい…私は貴方のモノです…だからその…怒らないで下さい!!」


私は丸く収めようと言葉を紡ぐ。




東様は慌てて、人ごみの中へと逃げていった。




中尉は鞘に刃を収めて、私を見つめる。



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