東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「こんにちは…中尉殿」



「…元気そうだな…」



「・・・」



彼はこの間座っていた肘掛け椅子に腰を下ろす。


私の座る位置から見て、右斜め前。



「…あ、あの…この間お願いした…頼み事は…」



「…どうしても知りたいか?」



「はい。私も中尊寺家の人間です…」



「・・・」


座ったかと思うと徐に立ち上がって…マントルピースに上に置かれた調度品を見つめる。



「…金目のモノが沢山並んでるな…」



「それは先々代のひいお爺様が集めた調度品…父も大切にしております」


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