Only One──君は特別な人──

去年の今頃のことを思い出すと、人生は何が起こるか分からないもんだと思う。

だって、去年のクリスマスは散々だった。

この公園で竜くんと彼女がいるところを見てしまって、あまりのショックでこの場所から逃げ出したんだよね。

そんな苦い思い出のある場所で、貴広からのプロポーズをされるなんて……。

誰が想像したことだろう?

そう。全てはここから始まっていたんだね。


「年が明けたら式場探し行こうな」

「うん!」

「もえはどんな式にしたい?」

「そんな盛大じゃなくてもいいから、大好きな人達に囲まれて式を挙げられたらいいかな」

「でも、誓いのキスは盛大にやりたいけどな」

そう言って、貴広はニヤニヤと笑う。

もう、何を言い出すかと思えば……。











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