Only One──君は特別な人──
「──水谷、どうした?」

「へっ?……いや、何でもないです!」


やだやだ。あたしとしたことが……。

大野さんのことジロジロ見てた。


「早速意識してるじゃん」

由美子が小声で楽しそうに言う。

「そんなんじゃないから」

慌てて否定した。


大野さんは、特に気にする様子はなく、隣に座っている後輩と談笑している。

そういえば、あたしは大野さんと仕事以外の話なんてしたことがない。


プライベートなこと何も知らない。

別に知りたいとも思わないけど。

それくらい興味がないんだと、今更気付く。
< 17 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop