Only One──君は特別な人──
「でも今日は無理なの。話す時間がないから」

「あぁ。大野とかいう男に会うんだもんな」

「そうよ」

「短期間で心変わりしたのか? そんなにいい男なのか?」

「優しくて誠実で大人の男性。竜くんとは全然違う。少なくとも二番目の女なんて作らないって思う」


二番目の女──という部分を強調する。


「オレはもえを二番目なんて思ったことないよ」

「何言ってるの? クリスマスだって本命と過ごせるようになったから、あたしとの予定をキャンセルしたくせに!」

「……」

「ほらっ。何も反論出来ないじゃないの。そんなんで二番目なんて思ったことないなんて言わないでよ! 彼女と別れる気もないくせに!」


今までの鬱憤(うっぷん)をはらすように、竜くんに向かって本音をぶちまけていた。



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