続・るーむしぇあ。
口から出て行った言葉は正反対のもの。

それは樋口さんに心配をかけたくない気持ちと、精一杯の強がり。


だけど、そんなことはきっと彼にはお見通しだろう。


「……紅茶、冷めますよ」


私の強がりも見抜いた上で彼は優しく微笑んでくれている。

そんなのって……ずるい。


「……樋口さん」


「はい」


「ホントはほんのちょっと、ほんのちょっとだけ寂しかった」


私は顔を伏せて、彼の温かい手が頭に触れるのを感じながら紅茶を飲んだ。

その味はいつもと変わらなくて、でも、ほんのちょっと涙の味がした。
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