続・るーむしぇあ。
2人でマンションの階段を上ったところで、私たちの部屋のドアの前に人影が見えた。


お客さん?

遠目でぼんやりとしかわからないが、スーツを着た男性のよう。


和希くんは怪しんでいるみたいで、私をそっと後ろへ隠すように前へ進んだ。

しかし──


「姫!!」


その声はまさか……いや、間違いない。

私をそう呼ぶ人物はこの世に1人しかいないんだから。


冷や汗が背中を撫でるようにすーっと背筋を冷やす。

いつの間にか目の前まで迫った姿を見て、私は1歩後ずさった。
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