6 on 1 lovers -来たれ生徒会-
来たれ生徒会!

息を飲むように顔を上げた。
辺りの音は全て遮断され、まるで今ここには私以外存在しないのではないかと錯覚してしまう。

強く握った手の平に、少し伸びた爪の先が食い込む。それでも私は顔を上げることを辞める訳にはいかなかった。

「……………………っ」

その真剣な姿はきっと、周りから見たらとても滑稽に思えるかもしれない。しかし私は目の前の『モノ』から目が離せない。

「………………やった…」

1位の隣に『櫻木桐子』と自分の名が書かれた、中間試験順位表から。


「…っ!やった!やったよ!ね、七海!見て見て!ほら!」
「ほほー…良くやったねぇアンタ。今回は絶対1位になるって言ってたもんね。すごいよ、桐子。頑張ったね。」
「えへへ、ありがと七海!」

今日この日この時この表を見上げる為に、ここ最近頑張ってきたと言っても過言ではない。

何故なら私はずっと、1位になれなかったからだ。

小学校、中学校で受けた試験は、必ず全て1位。私の取り柄は勉強することだけだと自負して生きてきた私が、この私立中上川高等学校に入学してから今日まで、ずっとある人物に1位の座を奪われ続けていた。

『浅倉タクト』

この学校の生徒会長である。
校内で知らない人はまずいないだろう。今年の4月から3年生になったはずなのに、彼は何故か会長の席を次期会長に譲ろうとしない。自分が言ったことは教師でも従わせ唯我独尊を貫き通す、思考回路が全くもって読めない男である。そのくせ、顔がかっこいいやら気遣いが良く出来て優しいやらで、女子からは絶大の人気を博している。

< 1 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop