私の旦那様は特殊捜査官
9.私の旦那様は特殊捜査官
「ママ・・・ママ・・・」

「・・・ん」

2歳になった勇気。

その勇気が必死に私を揺すった。

何度目かにようやく気が付いた。


「ママ・・・ママ・・・」

もう2歳になったと言うのに、勇気はまだカタコトシカお喋りが出来ない。

私は公園で倒れていた。

どうしてここで倒れたのか、記憶があいまいだった。


それでも、私は何とか体を起こし、勇気を抱きしめる。

「…ゴメン、ね。怖かった、ね」

私がそう言って微笑むと、勇気は満面の笑みを見せ、

首を振った。


辺りは暗くなっていた。

今は冬。この時間は、寒くて、もう人の影もないくらいだ。

まだ足がおぼつかなかったけれど、勇気をこんな寒空の下に放っておけない。


私は何とか立ち上がって、勇気を抱き上げ、歩き出した。



「・・・み・・・とみ!」

…誰かの叫び声が聞こえてきた。
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