嘘の誓いとLOVE RING
離婚の決心


時々うとうとと眠りながらも、夢で凌祐と佐倉さんが出てきて起きてしまう。

二人は夢の中で、私に気付きもせずに、手を繋いで遠くへ行くのだ。

そして私は、凌祐を呼ぶのだけれど声が出ない。

必死で叫ぼうとするのに声にならなく、二人の姿が消える瞬間、目が覚めるのだった。

それを繰り返している内に、気が付いたら朝になっていた。

「ひどい顔…」

鏡に映る自分に、笑いが出てくる。

目は腫れ、寝不足からかクマまで出来ていた。

こんな顔で、取締役たちに会えない。

今日は出張終わりで、午前中にはチェックアウトをする。

仕事の関係で、朝一番に帰る取締役たちもいると聞いているから、このまま私もチェックアウトをしてしまおうか。

圭祐に確認の電話をしようと思いながらも、ゆうべはずっと力になってくれた人だ。

直接会って話しをしよう。

そう思い、急いで身支度を整えドアを開けると、そこには待ち伏せをしていたかの様に、凌祐が立っていた。

「良かった。美亜、やっぱり部屋にいたんだな」

「凌祐…。何で?」

動揺で体が奮える。

すると、凌祐は強引に私を部屋へ戻すと、自分も入ってきて鍵を閉めたのだった。

そして、私の顔をまじまじと見た凌祐は、突然抱きしめてきたのだった。

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