《第4章 守らせてほしい》


 世良さんとのデートから二週間がたとうとしていた。

 あれ以来、私の中で多少の心境の変化があったのは事実で、信頼できる世良さんのアドバイスだからこそ、それを参考に外国のライティング事例の勉強をするようになった。

 調べてみるとおもしろい。

 行政の力の入れ具合もさることながら、その国の地形や気候も影響を与えているのだと知る。

 川の水面に映り込む光、厳しい冬に暖かさを感じる色合い。ただ明るく照らすのではなく、緻密(ちみつ)に計算されているのだ。


「亜矢、最近何かいいことでもあったのか?」

 春山社長が私のデスクのそばに来てニヤニヤしている。

 カマをかけていることはわかっているので、落ち着いて言葉を探した。

「春山社長が期待しているようなことは何もありませんから」

 パソコンの画面から視線を逸らせないで答える。

「つまんねえなあ。世良くんも同じことを言っていたんだよな」

 それを聞いて、ハッとして顔を上げた。

 まったく、世良さんにまでズケズケと。人のプライベートに首を突っ込むのは、いくら社長と言えども許せません!

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