「王子様は誰か一人の
王子様じゃないとダメなんだよ」
童話の中のプリンセスは
いつも王子様が自分だけを守ってくれて
幸せな恋をする。
だけど、
私の彼には
私以上に大切な人がいました。
「俺、あいつに何かあったら
すぐに行ってあげなきゃダメなんだ。」
病弱な彼の幼なじみは、
いつも私から、彼の事を奪ってく。
「行かないで……っ」
その言葉は届かない。
何度も来るって信じた待ち合わせも、
約束したデートも出来なかったけど
それでもあなたが大好きでした。
「待ってても来ない王子様なんて
捨てちゃえよ。」
恋は複雑に、そして切なく動き出す。
好きって、何で苦しいんだろう。
人って、何で
一番に愛してほしいと思うんだろう。
旧題『泣き顔のプリンセス』
Sventeenに掲載されました!
2016.10.25 書籍化。
文庫限定の番外編があります。