シークレット・ガーデン
「砂川って誰だよ?」
救急病院での診察が終わり、薬を貰って病院を出たのは日付けの変わる頃だった。
病状の落ち着いた理亜は、赤い頬っぺたのまま、小さい寝息を立て始めた。
帰りの車の中で、安堵感から真彩は看病疲れが一気に出て、理亜を抱いたまま熟睡してしまった。
自宅の前に着いたところで、司に起こされた。
だから、帰り、全く会話をする事が出来ずに別れた。
光俊には、司の事は内緒にした。
昔、恋仲だった男と逢ったと知ったら、光俊は激しく嫉妬するに決まっている。
優美子には、メールに書いた。
さすがの優美子も呆れるかもしれないと思ったけれど、やましいことは何もしていない。
親友に隠し事したくなかった。
[相変わらず、司くん、優しいね。
今回の件は仕方ないけど、真彩の旦那からしてみれば、面白くないだろうね。
黙っていて正解。
司はいい子だけど、やっぱオトコだから。
疑いたくないけど、離婚して寂しいんじゃない?
真彩が子持ちだからこそ、割り切って遊べるって、思ってるのかも?
余計なお世話かもだけど、一応釘刺しとく。
不倫なんて、絶対やめて。
真彩には似合わないから。]