私の彼氏は中国人留学生
認めてくれないかもしれない、上手くいかないかもしれない。もう遅いかもしれない、愛想をつかされたかもしれない。

こうなるかもしれない、ああなるかもしれない。


確かにそう。
現実はひどく厳しくて、いつも残酷だ。
常に思い通りになるほど、甘くない。


だけどもう、どうなるかも分からない先のことを考えるのは、もうやめよう。

面倒なしがらみを抜きにして原点に戻って考えると、一番大切にしたいのは暁明が好きで一緒にいたいと思う気持ち。

大人になっても、いくつになっても、それだけは譲れない。


それが失敗したとしても、間違いだったとしても、それでもいい。
何を恐れる必要があるの?

私にはいつも応援してくれる親友も、私を大切に愛してくれる家族もいる。
戻ってくる場所がある。

だから、私ね......。


そしてようやく気持ちの整理がついて、今も昔も変わらず、着信履歴に一番たくさんのっている人への発信ボタンを押した。



「話したいことがあるの」



中国人日本人関係なく、ただ一人の男の人と出会って、好きになって、付き合って。

考え方の違いはあっても一緒にいたいと、壁を壊すことができたあの頃。


もう手遅れかもしれないけど、もう一度だけがんばりたいの。

最終的に決めるのは相手でも、私から作った壁ならば、壊せるのは私しかいない。

だから......、もう一度あの頃のように、壁を壊すから。
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