真夜中の訪問者
本編


仕事疲れの重い体を引きずりベッドに横たわる。




そのままウトウトと眠りにつきそうなその時、玄関のチャイムが鳴り響いた。




枕元の時間を確認すれば、すでに午前1時を回っている。




こんな時間に来るのは彼しかいない。




玄関を開けるとちょっとお疲れ気味の大和(やまと)がいた。




『悪りぃ。寝てた、よな?』




「ん、大丈夫」




部屋に入るとソファーに座り込んだ大和はため息を吐き頭を抱えている。




アイドルとしてテレビの中で常に笑っている姿からは想像もつかないだろう。




真面目な大和は人一倍仕事に熱心だからこそ、
それで頭を悩ませる事も人一倍だ。




仕事を通じて知り合った私には何でも吐き出せるようで。



本人曰わく、悩みを聞いてくれるお姉ちゃんらしい。




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