サヨナラのしずく
あたしは吸っていたタバコをスタンド灰皿に捨ていれ歩きだした。




すると男たちもついてきた。




「ねぇ、お姉さん!無視?」




無視と言うか、聞こえてはいたけど頭には入ってこなかった。



こんな時でも頭の中には俊平がいた。



偶然会うんじゃないかとか、ちょっとだけ思ったりして。



でも期待はしちゃいけないって自分に言い聞かせてみたりしていた。





「怖い顔してるけど何かあった?もしかして彼氏と喧嘩?」


「彼氏のことなんか忘れて俺らと楽しもうよ」


「そうそう、嫌なこと全部忘れられる遊び知ってるから」





忘れる?


俊平のことも寂しいって感情さえも忘れられる?




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