サヨナラのしずく
マジほっとけねぇわ
自分の家に戻っても考えるのは俊平のことばかりだった。



会いたいと思うわけじゃない。




ただ、俊平があたしの中に居座っているみたいだった。



だけど、そんなあたしの頭の中にタクミさんのあの言葉だけは浮かんできた。



ずっと言われていた、ご飯を食べろというあの言葉だけは…。



あたしは重い体を起こしてキッチンへと向かい冷蔵庫をあける。



でも久しぶりに帰ってきた家に食べ物があるわけがなかった。



あたしは再びベッドへと戻って横になった。



今日だけはもう何も食べずに寝よう。



外へ何かを買いにいく気力が残っていない。




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