「……団体旅行課からの報告は以上です。
それから、来週は私、引率で出張ですので、本会議は欠席致します。
次。商品企画グループから報告お願いします」


省吾が報告を終えて繋いだ言葉に、斜め向かいの席に座っていた朝霧君が返事をして立ち上がった。


「報告します。
レジュメ、五ページを開いて下さい」


会議に使われるレジュメは既に配られている。
朝霧君の言葉に従って、会議に参加した面々がレジュメを開く。


「報告が二点あります。
まず、国内案件から……」


パワーポイントを映し出したスクリーンを目で追いながら、報告を続ける朝霧君。
その言葉に黙って耳を傾ける省吾。


こうして見てれば、誰もがいつもと何も変わらないって思うはずだと思う。
私は気付かれないように二人を交互に見遣って、そしてほんの少し息をついて手元のレジュメに集中しようとした。


朝霧君の『最低な告白』から一週間。
私の周りはそれまでと同じように平穏だった。
朝起きて仕事に出て、ほんの少し残業して退社する。
アフターファイブは真っ直ぐ家に帰って一人でのんびりするか、都合が合えば省吾と過ごすか。


そう。
形だけなら、それは何も変わらない私の平穏だった。

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