冷静になれないままで考えても、弘樹の言ったことは最低だと思う。


ただの偶然を、運命だなんてもっともらしく言ってたけど。
結局偶然すれ違ったりしなければ、やり直そうなんて言うつもりも無かっただろうし、そもそも本気で連絡して来るかもわからない。


本気で私と別れたことを後悔してたなら、恥を忍んででも連絡して来たはずだ。
私はメアドも携帯番号も変えてない。
弘樹から連絡が来るなんて考えたことも無かったから、着信拒否だってしてない。


彼女と別れて、今は確かにフリーなのかもしれないけど。
そのタイミングで偶然会った私が、ただ都合良かっただけ。
きっとその位の軽い気持ちでしかないはず。
そう本心から納得して、自分に言い聞かせた。


惑うことなんかない。
たとえもう一度弘樹に会ったって、そこから始まる関係は何も無い。


そうよ。
やっぱり私は、今更恋愛なんか出来ない。
ううん。
もう私にはそんなもん必要ない。


気持ちは限りなく割り切れるのに、心の奥底で何かが蠢く。


「……っ……」


都会の夜。
しっかり歩いていなければ行き交う人とぶつかるくらい、体温が密集してる狭い世界。
なのに、暗闇にポツンと一人きりにされた気分になるのはどうしてだろう。

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