Hair cuts

愛華の手紙

DEAR さくら

あたしは、この幸せが壊れてしまうのが怖くて、いつもおびえていた。

ただ毎日、ひたすらこう願った。

ずっと、四人一緒にいられますようにって。

でも、それは到底無理な話で、そうと知りながらでも、願わずにはいられなかった。

みんなで一緒にいる時も、笑いながら、後何回こんな風に笑いあえるんだろうって、そんなことばかり考えていた。

あの頃のあたしは、もうとっくにわかっていたのかもしれない。これから先、あたしたちが辿る運命を、知っていたのかもしれない。

そんな風に思えて仕方ないのです。

浩人はもう昔の浩人じゃありません。そして、あたしや、遊里も…。

だから、さくら。どうか、さくらだけは昔のままでいてください。さくらだけは変わらないで…。

FROM 愛華
出すに出せない手紙第三号
< 102 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop