本当の俺を愛してくれないか?
すると直ぐ様謝る咲花。


「いや、さ。あまりに宏美が部長好きだし何より昨日の飲み会の時、宏美部長に抱きついて離れなかったからチャンスかなって思ってさ」


...ん?ちょっと待って。


「咲花、さっき私が最上部長に抱きついて離れなかったって聞こえたんだけど...」


そんな恐ろしいことを私は最上部長にしちゃったわけ?


「あっ。やっぱり覚えてない?どんなに引き離そうとしても宏美ってば全然部長から離れそうになくてさ」


「嘘...」


「残念ながら本当」


最悪...。本当に私ってばどうしようもないダメ女すぎる。
せっかく最近最上部長とちょこちょこと話せるようになって幸せだったのに、自分でその幸せをぶち壊しちゃったわけじゃない。


「...ちょっとー。宏美?」


咲花の声がどんどんと遠退いていく。
そして私の思考はどんどんと深い闇へと落ちていく。


私...月曜日どんな顔をして最上部長に会ったらいいのよ。


小林宏美

今の窮地に、本気でお酒をやめようと決心した瞬間でした。
それでも過去は変えられないわけで。

入社してからこんなに会社に行きたくないと思ったのは初めてだった。
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