本当の俺を愛してくれないか?
初めてあんなに小森さんと話したけど、思ってた通りの人だった。絶対に嫌いなタイプよ。


最上部長に引く?
引く意味が分からない。
素敵なことじゃない。ずっと想われていたら女として幸せなことよ。
何年も変わらずにずっと一緒にいてくれるなんて。


怒りが収まらず私の足は次第に早くなる。


あそこまで小森さんが最低な人だとは思わなかった。
大卒?仕事が出来る?イケメン?
だからなによ。中身は最低な男じゃない。
女々しいし。噂好きだし。人の悪口言うし。
なんで人気があるのか分からない。


「...だけど殴ったのはやばかったかな?」


少しすると人は冷静になってくるもので。


ちょっとずつ後悔が押し寄せてくる。


いやいや。でも悪いのは向こうだし。
でも復讐される?逆上される?
...ううん。仮にも男だし小森さんにもプライドがあるはずだし何かされるってことは...あるかも。
女々しい男だから。


ーーーーーーー


ーーーー


「はぁ?道端で小森さんを殴った!?」


「しーしー!!」


あれから会社に着いて控え室へ行くと既に咲花は出社していて。さっきの出来事を話すと咲花は声をあらげた。
周りには人がいるって言うのに。


「ちょっと宏美それ本当の話!?」


「当たり前じゃない。朝から嘘ついてどうするのよ」


「...バカ」


一言ポツリと漏らすと盛大に溜め息を漏らす咲花。


「ちょっと。何もそんな盛大に溜め息吐かなくてもよくない?」


「吐くに決まってるでしょ?なんで弘美は後先考えないのよ。...何されるか分からないわよ?」


「えっ?」


咲花の言葉に思わずドキッとしてしまう。


「人なんて何するか分からないんだからね?仕事上小森さんは私達の上司なわけだし、業務上圧力かけてくるかもしれないでしょ?それに小森さんには取り巻きが沢山いるし。変な噂流されたらどうするのよ。噂なんてあっという間に広がっちゃうわよ?仕事だってやりづらくなるかもだし。
...所詮女なんて、会社にとっていざとなったら簡単に切り捨てられちゃう存在なんだから」



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