本当の俺を愛してくれないか?
「...重症ですね。宏美の恋の病は」


やれやれ。と言わんばかりに大きな溜め息を漏らす咲花。

そうだよ。私は重症患者。最上部長が好きすぎる病気にかかっちゃってるんだよ。

小森さんがくれたどきどきする言葉より、たった一瞬だけ触れた最上部長の身体のぬくもりが今でも思い出せばどきどきして仕方ない。


罪悪感と嬉しさと寂しさと。

色々な気持ちに襲われる恋の病。


誰かこの恋の病を治療する薬を持っていたら欲しいくらい。


こんなに好きなのにな。
最初はただ好きでいるだけでいいって思っていたのに、な。

あのぬくもりを知ってしまってから欲張りになってきてしまった。


頭では会うのがきまずい。どうやって謝ろうって考えているのに。

身体と心は違う。

違うってことに今気づいた。

もっと最上部長のぬくもりに触れたくて仕方ない。


「咲花...。私って変態かも」


「急に何言ってるのよ」


だって本当のことなんだもん。


大人になったら女はみんな同じことを一度は考えたことあるのかな?


好きな人の心が手に入らなくても、せめて身体だけでも手に入れたいって。


「...やっぱり変態だ」


「ちょっと宏美、大丈夫!?」



小林宏美


意外な人からの告白に戸惑いつつも、ただ今重度な恋の病に侵され中...。
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