ハッピー☆ウエディング
危険な夜


つまり……?




お父さんの親会社の、社員だった。

合同旅行だから、慶介ももちろん参加。

慶介はあたしが来るのを知っていた。



でも知らないふりした。



………なんでぇ!?






つか、そんな話最初から聞いてないしっ!



「葵がしっかり話聞いてないからだろ?」


「あんたに言われたかないわよ」



隣に座っている亮を睨みつける。

亮ときたら目の前に並べられた懐石料理を嬉しそうに見つめるのに忙しそう。



あたし達は、宴会場で全員が揃うのを待ってるところ。



乾杯をしなくちゃいけないんだって。



続々と人数が増えてく。


2つの会社を合わせたらこんなに大勢いたんだ。



あたしは見たことのない人達の顔を眺めた。





あ…………






慶介を見付けたあたしの胸が高鳴る。



ほんと、見るだけこんなになって……あたし病気かな。



あたしは、遠くにいる慶介から視線を反らして胸をギュッと押さえた。

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