君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
家族になるということ
「圭吾さん、そろそろです」

「あぁ、分かったよ」

週末の土曜日。圭吾さんと二人特急列車の中。
そう。今まさに圭吾さんと二人実家へと向かっている。実家に連絡したらお父さんもお母さんも是非会いたいと言われた。
圭吾さんと結婚するって決まってから、いつかこの日がくることを覚悟してきたけど実際にきてしまうと、半端なく緊張してしまう。
知らなかったわ。圭吾さんを両親に紹介することがこんなにも難関だったとは…!

「菜々子、本当にお土産は日本酒でよかったのか?」

「え?」

なぜか心配そうに聞いてくる圭吾さん。

「お父さんはいいかもしれないけど、お母さんにもなにか買っていったほうがいいんじゃないか?」

…あれ。ちょっと待って。もしかして圭吾さん緊張しちゃってる?
確かに今日は朝からいつもより口数も少なかった。だけどまさか圭吾さんがそんな緊張なんて…。
だめだ、聞きたい!

「…もしかして圭吾さん、緊張しちゃってますか?」

そう聞くと圭吾さんは驚いた顔を見せたが、観念したかのように大きな溜息を漏らす。

「…当たり前だろ?気に入られたいじゃん。…菜々子の両親なんだから」

…う!!
なっ、なに!?この圭吾さん!
照れて可愛いんですけど!!

「…なんだよ、可笑しいか?俺が緊張するのが」

「そ、そんなことないです!」

今度はむくれている!

意外すぎる圭吾さんに私の胸はキュンキュンしまくり。
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