もしも私が―。
プロローグ
 
 私はある雨の日、見てはいけないモノを、見てしまった。

「おはよう」
 いつものようにあいさつをする。

「あっ!おはよう。」
 クラスメイトはいつものように、さり気なく返す。

 その後はやっぱり、いつものように動きを止めていた口を動かし始める。私はいつものように席について、ため息をする。いつもと同じ風景、つまらない日常……。

『キンコンカンコーン』

 チャイムが鳴り、先生が元気良く言った。
「やあ!おはよう!今日も一日頑張ろう!」

ご勝手にどうぞ……。

そんな雰囲気の、冷たさが流れる。クラスのみんなはあまり先生が好きじゃないようだ……私も好きじゃない。

私が好きになる人間なんてほとんどいないんじゃないかな?
つまらない、いつもどうりの日常生活。

それが、突然、決まっていたかのように、狂い始めた。
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