同期が急に変わったら…。
あ?
朝の爽やかな日差し。

ザワザワするオフィス内。



少し遅れて。



伸びた背筋で
颯爽とオフィスに入って来る。




『おはよう』



ニコリともせず発せられる挨拶。




でもこの男。
ルックスはかなりのイケメン。
社内でも、1、2を争う。





営業1課 課長
藤森将生 30歳 独身。




自分に厳しく

部下には信頼を得る。




社内最年少の課長職。




我が社のエリート。





自分のデスクに座るか座らないかの
タイミングで、
パソコンを立ち上げて、
書類を広げはじめる。





出来る男の代名詞のような人物。





『桐谷。』


今日、
朝イチで課長に名前を呼ばれたのは。


私、桐谷いずみ。




営業1課 主任。
桐谷いずみ。 29歳。 独身。





もっと説明すれば。




藤森課長とは、同期。

かなりの頻度で2人で飲みに行く。

週イチなんて、珍しくない。





入社以来、

私はこの課で働いている。



藤森課長は、

3年前に課長に昇進と共に

マーケティングから異動してきた。






同期が上司って、

初めはやりにくかった。





とは言え、

元々同期の中でも、

かなり仲が良かった私と藤森課長。





すぐにその状況に馴染めた。





それは、

藤森課長の実力をマジマジと

感じとれたから。





友人としては好きだし、

上司としては尊敬できる。





おかげさまで、

同期の絆はかなり深いと思う。





心の奥底に、

秘めた思いには

そっと蓋をして。







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